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【前編】刑務所のその後を知っていますか。

法務省のnoteが始まります。

 こんにちは!法務省の再犯防止担当者です。
 今回、「再犯防止」について、多くの皆様に関心と理解を深めていただけるよう、noteを通じた情報発信を始めることになりました。
 あまり多くの人に知られていない再犯防止の興味深い情報について、noteの特徴をいかした発信をさせていただきます。

とあるサバンナにて

 「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」ということわざのとおり、今日もサバンナでは、子ライオンを成長せさるべく、親ライオンが厳しい教育を行っていた。

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親ライオン:
 子ライオンよ。サバンナにおいて百獣の王になるためには何が必要かわかるか?

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子ライオン:
 それはもちろん、「かっこよさ」や「強さ」だと思うワン!

親ライオン:
 それらも重要だが、もっと大切なものがあるぞ。それは「知識」だ。たくさんの動物のリーダーである百獣の王は、様々な難しい局面で正しい判断がを下せるよう、日頃から豊富な知識を蓄えておく必要があるのだ!
 そこで、お前が知識を蓄えるために、厳しい課題を出すこととする。今からこのサバンナを出て外国へ行き、あまり多くの人に知られていないけど大事な知識を身に付けてくるのだ!
 この課題をクリアするまでは、サバンナに帰ってくるな!

子ライオン:
 そんな~。サバンナを追い出されるなんて聞いてないワン…。

 こうして子ライオンは、知識を身に付けるべく、急きょ、旅に出ることとなったのである。

子ライオン、再犯防止に出会う。

ライオン3

サバンナから日本にやってきた子ライオン

子ライオン:
 はあ…。サバンナを追い出されるなんて、ひどいワン。なんとか「日本」という国に辿りついたみたいだけど、あまり多くの人に知られていないけど大事な知識なんて、簡単には見つかりそうにないワン。ん?

再犯防止ポスター

子ライオン:
 7月は「再犯防止啓発月間」?
 少なくともサバンナのライオンの間では知られていないような気がするワン。
 サクッと課題を終わらせるために、法務省の担当者に電話でアポを取って、「再犯防止」について直接聞いてみるワン!
(ライオンの勢いに負けて、法務省担当者との打合せがセッティングされました。)

そして、打合せ当日

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クールビズの法務省担当者

法務省担当者:
 こんにちは。本日は「再犯防止」について、詳しく知りたいということで、御足労いただきありがとうございます。(電話口では「ワン」と言っていたから犬だと思ったのに、実際はライオンじゃないか…。)

子ライオン:
 よろしくワン。早速だけど、「再犯防止」はあまり多くの人に知られていないのかワン?

法務省担当者:
 (いきなり失礼なライオンだな…。)そうですね…。痛いところを突かれておりますが、知名度という点では、まだまだこれから…といったところですかね。
 でも、「再犯防止」は、多くの人にとって、もしかしたらライオンにとっても関わりのある大切なことなんですよ。
 せっかくの機会なので、簡単に「再犯防止」について説明しましょう。その前に、子ライオンさんに質問です。

刑務所のその後を知っていますか。

法務省担当者:
 突然ですが、刑務所や少年院を出所等した人が、その後、どうなっているのか、知っていますか?

子ライオン:
 え? テレビドラマでは、裁判をして、刑務所に入ったら、それでお話が終わりになっていたから、よく分からないワン。

法務省担当者:
 それじゃあ、例えば、裁判で「懲役1年」の実刑となった人は、1年間刑務所に入って、その後、どうなると思いますか?

子ライオン:
 刑務所を出ることになると思うワン。

法務省担当者:
 そうですね。実際には、仮釈放になるなど、色々な場合があります。
では、刑務所を出た人は、そのあとどうなるでしょうか?

子ライオン:
 うーん……。家族の待つおうちに帰って、また仕事を始めるのかワン?

法務省担当者:
 確かに、黄色いハンカチがたなびく家に帰ることができればいいですね。 
 しかし、実際には、刑務所を出た後、帰る家がない人や、仕事に就けない人が少なくないんです。

子ライオン:
 黄色いハンカチは何のことかよく分からないけど、帰る家や仕事がないと困るワン…。

法務省担当者:
 ジェネレーションギャップを感じますね…。
 実は最近、犯罪をした人が再び犯罪をしてしまう「再犯」が大きな問題になっていて、立ち直りや社会復帰を支援する「再犯防止」の取組が重要になってきているんです。(詳しくは下のグラフを参照。)

再犯の現状

らいおん(ぽかん)

子ライオン:
 本当だ!刑法犯の半分が「再犯者」だワン。もし再犯がなくなれば、世の中の犯罪がすごく減るような気がするワン。

法務省担当者:
 そういうことです!(このライオン、語尾は気になるけど、飲み込みが早いな。)

犯罪や非行をした人の「生きづらさ」

法務省担当者:
 では、再犯を防ぐ上で、何が大切なのでしょう。
 もちろん、何よりも本人の「更生意欲」が大切ですが、さっき話したとおり、犯罪や非行をした人の中には、帰る場所や仕事がないなどの、様々な「生きづらさ」を抱えている人がいるのです。

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らいおん(泣き)

子ライオン:
 数値で見るとびっくりだワン…。「生きづらさ」があるからといって、犯罪が許されるわけではないけど、刑務所を出てから住む所や仕事がないと立ち直るのも大変だワンね。

そこで、再犯防止を推進するために、法律と計画ができました。

法務省担当者:
 このような状況も踏まえ、平成28年12月、再犯防止の取組を推進するため、「再犯の防止等の推進に関する法律」(このnoteにおいて「再犯防止推進法」といいます。)が公布・施行されました。

推進法

子ライオン
 再犯防止をテーマにした法律があるなんて知らなかったワン!

法務省担当者:
 また、再犯防止推進法に基づき、平成29年12月には、「再犯防止推進計画」が閣議決定されました。この計画は、政府の計画としては、再犯防止をテーマとした初めての計画です。

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法務省担当者:
 そして現在は、この計画に基づいて、法務省に限らず、他府省庁、地方公共団体や民間協力者といった様々な関係者が一丸となって、刑務所を出た人に住居や就労の機会を提供するなどの、再犯防止に関する取組を進めているのです。
 たくさんの情報を一気に伝えましたが、大丈夫ですか?

子ライオン:
 知らないことばかりだけど、特に「再犯者率」にはびっくりしたワン!
 早速サバンナで自慢したいところだけど、かくかくしかじかで帰れないんだワン。
(ここで子ライオンは、サバンナから来日した経緯を語りました。)

法務省担当者:
 そうなんですね…。御提案ですが、あまり多くの人に知られていないけど大事な知識が欲しいのでしたら、もっと再犯防止について勉強してみませんか?
 次々と新しい取組が生まれているので、しっかり勉強すれば、百獣の王にふさわしい知識が身に付くかもしれませんよ。

子ライオン:
 ありがとうワン!
 早くサバンナに帰れるよう、これからも再犯防止について教えてワン!
 で!どうしたらいいんだワン?

法務省担当者:
 私たちが作っている「令和2年版再犯防止推進白書」では、日本における再犯防止に関する統計や取組事例がまとめられているので、気が向いたら読んでみてくださいね。
 (結局、最後まで語尾は「ワン」だけど、本当にライオンなのだろうか…。)

<続く>